Hunnigan, Sloane and Minchin

グランドミュージカルとか映画とか

「RENT」決まり手、No day but today固め。

(シアタークリエ 3月16日 18:30 演出:マイケル・グライフ 日本版リステージ:アンディ・セニョールJr.)

 

初めて見た2016年来日公演以来の生RENTでした。
いやぁいいですね。今更内容を書くものでもないですが、NetflixでTick,tick…Boom!が公開されてから久々に見た本編だったので、近年古びた表現になっていた部分も素直に入って来た気がします。あれを見てしまうとベニーが笑えないんですよね。ベニーはHIV陽性でも何でもないけどしかし。

 

さてその初回が国際フォーラムホールCだったのでクリエのセットの印象はちっさ!だったのは仕方ない。その分バンドがかなり飛ばしていて気持ちいしそれに応えるようなキャスト陣の熱唱。佐竹莉奈モーリーンと高城奈月ジョアンのTake me or leave meはこれまで見た女性デュエットのパワーを全部更新して行くレベルで気持ち良かったし。また百名さんのエンジェルのダンスが冴えて生き生きと彼女を表すほどに喪失が深まるのも印象的でした。

ただ初めて見た頃から年を取ると見えて来るものも違ってきて、ここまであの若さの不安も感じるものかと驚いてます。主にモーリーンとロジャー。売れないかもしれないな…ってイディナ・メンゼルには思わないですよね。あのジョナサン・ラーソンの青春を再現し地球上に確かにあったあの頃を語り続けるためにキャストを更新する上でこういう一面もいずれ見えたに違いない、というのも面白い公演でした。

 

それにしても2023年に聞く「生活保護を受けている異性装の吸血鬼が最近ハマってるボーリング」(だったっけ)の思慮の無さが凄いのでマーク・コーエンは2010年代になって現れた「シェアハウス ウイズ ヴァンパイア」に嫉妬を燃やしててほしいです。その頃どんな人間になってても。