Hunnigan, Sloane and Minchin

グランドミュージカルとか映画とか

2023年ウィーン&ブダペストの旅。6.オペレッタ劇場版「ラ・マンチャの男」観劇

やってきました…今回の旅の最大の目的…ブダペストオペレッタ劇場での観劇…!

広場からホテルに戻る、その前に…

英雄広場からホテルに戻ろうという時、気付いたんですね。買ったバッグが夏物過ぎて冬物のワンピースに合わない…と。色々考えてどうにも気に入らない…。
結局再び朝行ったファッションストリートに戻り、2,000円程度の簡素なバッグを購入することに。そのお店もなかなか見つからず、歩いた…ものすごい歩いた…。
そして生理用品と観劇後の夕飯を劇場前のSPARで買いまたも時間をロス。

そんなことしてたらホテルに戻れたのは開演20分前。
どうする…?もう着替えないで行く…?でも折角バッグ買ったんだよ!?というわけでジーンズを脱ぎ捨て着替え、髪を梳かし直すだけしてGo。
しょーもないこの選択が、結果的に間違っていませんでした…。

ブダペストオペレッタ劇場 Budapesti Operettszínház

3年間心底来たかった場所…!オペレッタ劇場…!ファンの略称Opi
ピンクの外壁と植物を模したTHE アール・ヌーヴォーな外観ががかわいいですね!2023年で100周年を迎えます!おめでとう!

いや浮かれてる場合ではありません。時間がない。エントランス廊下を抜け売店は…無いっぽいことを横目で確認し、ボックス席のある階段の方へ駆け込むと案内係の年配の女性がいたのでチケットを見せご案内をお願い。馴れない場所はこうだよね、とスムーズにセンター方向のボックス席へ。おお真っ赤なブースにカーテンがかかっていてゴージャス。ボックス席は2席ずつの並びが3列連なった6人分。私の席は2列目壁際。到着すると女性が座っているのを案内係が通路側席にどけてくれて着席。前方の老夫婦の娘さんのようでした。

1階席から見える頭髪はなかなかシルバーでしたね。
ボックス席は日生劇場で言うグランドサークル席の位置。ステージ前方に宝塚で言う銀橋があるのも面白い劇場です。1階に座ってみたいけど通路が無いようなのはつらそう。

後方にも2人連れの女性が来て、さて開幕。

Opiラ・マンチャの男 La Mancha Lovagja 感想

キャスト表です。
1でも書きましたが今回は主演ネーメト・アッティラ Németh Attilaが目当てでした。正直あのロミジュリから18年。あまり出演も多くない様子だし喉の調子を崩される方も多いのでどうなのかな…と心配してましたが、全く変わらぬ美声が大劇場に響き渡っていました…幸せ…。演技もクレバーさと愛嬌の使い分けが良過ぎてもっと主演…してほしいですね…。
ヒロインのアルドンサ役ペレル・アンナPeller Annaさんも大変素敵でした。長身美女で迫力のある出で立ち、ハスキーで強い歌声。終盤の失意と怒りのソロの凄まじい演技、生で体感出来てよかった…。
他のキャストは調べなかったのでIstván a királyの配信でトルダ役だったジョルジ・ロージャ・シャーンドルGyörgy-Rózsa Sándorとか不意打ちで現れたり楽しかったですね。劇場契約俳優なので配信とインスタで散々追っかけた面々がそのまま出てくる興奮。

内容なんですが、実は配信で一度見ています。*1現代姿で繰り広げる牢獄からの騎士道物語になってるんですが、この衣装が好きで好きで、洗濯中にサンチョが話しかけるシーンでドラム式洗濯機が出てきたりがかわいくて、本当にいいアダプテーションなのです。

物語は日本語字幕ありのMGM製映画版を履修したきりなので会話シーンが続くと細部は忘れてしまってて不覚だったものの、主演三人の所作や表情を追うので十分でした。
配信でも印象的だったんですが、このバージョンは映画と違い終盤のアルドンサの糾弾にドン・キホーテが心底怯えて悲しむんですね。映画だとあのアルドンサの受けた暴力は古い映画ならではだなと思ったのですが、アンナさまの怒鳴り散らす歌唱も凄まじく「勝手にミューズ扱いしやがって」という怒りにも感じ非常に現代的でいい場面だと現場で改めて感じられて、現地観劇の醍醐味を感じられました。
それに”夢見ることを信じさせる力”について語るお話ということを考えると自分が今この空間にいる、ということについて感じ入ってしまい勝手に泣いてました…。これもう舞台関係無いな。
とにかくブロードウェイ演目にこういった美術演出アプローチができる憧れの劇場での観劇、大満足でした。
トレーラーはこちら(BW演目なので歌なしです)

www.youtube.com

幕間に起きた奇妙な出来事

観劇はこの通りなんですが、幕間ちょっとした事件が起きてました。事件…というか恥かきが。

私は幕間必ずトイレに行く派なので即席を立ってボックスを出たら、案内係のおばさまが手招きをしていて行ってみたら通路裏の謎の部屋に案内されました。謎の部屋っていうか…幾つものスタンドテーブルにお食事が用意してある…ビュッフェ?(オーチャードホールの食事エリアをギュッと小さくした感じで想像して下さい)
おばさまが「5!5!」と仕切りに言うけど意味がわからず5分しかないのかな…?などと混乱し、テーブルの皿数が少ないとこにいたら後から来た人に邪魔そうにされ、改めて私がいるべきは「5番ボックステーブル」だったと再度案内され理解しました…。一緒にいるのもボックスの老夫婦+娘さんと後ろの女性たちだ。

しかしこの慣れない立食の状況…もはや!借りてきた猫の…置物っ!
あと、着席時に娘さんに席どいてもらったとき「ここ人来んの?」って顔された理由がわかりました。一人で座る場所じゃないんだ…ボックス席。

メニューはカナッペ3つ、中央にケーキとあり、テーブルも高めなので落としたらどうしようと余計な心配をししばらく飲み物だけにしてましたが、折角だからカナッペを頂くことに。さすがにおいしいわ…。
そういえばここに来る前散々バタバタして着替えてくるか迷ったんだった。いやこの状況、汚いデニムジャケットにズタ袋のようなリュックで来ていたらと思うと恐ろしい。死んでいたね…ありがとう私の見栄…。

そんなこんなしてたらお子さん連れがトイレを探し始め、そろそろ移動してもいい気配がしたのでグーグル翻訳に
「不慣れですみません、お食事ありがとうございました。下へ行っても大丈夫ですか」と打込んで案内係さんにお見せし退室。(とっても嬉しそうにしてくれてました。)
キャストボード探したかったけどやっぱり時間なさそうなので諦めて座席に戻りました。

あれはVIP席だった

このお食事の件、終わってからスペースでフォロワーさんにお話したらわかったのですが、ボックス席の中央数室はVIP席ということでケータリングが出るということです。同額の1階前方席でもお食事は出ない。いやすごい体験でした。次行ったらもっと備えたいですね。次行ったら1階前方で見たいけど。終演後もお礼を打込んで案内係さんに感謝お伝えしておきました。

最後に劇場内の写真を貼って終わります。

 

劇場外にはどこにいたんだってくらいの若者が盛り上がってました。
いやー楽しかった…4日目もまだまだ最高は更新され続けてました。
ステージドアとか全然わからないのでそれは贅沢しないことに…。*2

ホテルに戻って一応さっき買ったスープを飲みながら余韻にひたり、窓の閉め方を理解し(前日の晩、いい部屋だけどうるさいし寒くて眠れないと思ったら開いていた)就寝。翌日の観光へ備えます。

*1:コロナ禍中2020年暮れから半年ほど作品全幕配信をしてくれていて、このラ・マンチャの男も各キャスト1回限りの配信があったのです。BW演目だからお金かけてますね。

*2:したかったな!