Hunnigan, Sloane and Minchin

グランドミュージカルとか映画とか

「DEATH TAKES A HOLIDAY 」可能性と拒絶のロマンス

東急シアターオーブ 6月24日 16:00 演出:生田大和)

モーリー・イェストン作曲の日本初演作品。
宝塚だし取れてよかったな〜くらいの気持ちで見たのですが、(宝塚は普段はBS放送や、たまに気になる役者さんがいる時に円盤で楽しむ程度です)輸入演目で今のところ今年一番では?ってくらい良かったです。
あまりにもクラシカルな男女ロマンス+おとぎ話が過ぎる演出ではあるけど楽曲が何しろ強く美しく感情を攫うし、何よりこれが「家父長制に抗うための物語」だと思える脚本だったのが大きいです。

全体的なイメージ

全体の感触をおおまかに例えると、グランドホテルのような哲学的物語をオムニバスで綴りつつリトルマーメイドと美女と野獣のエッセンスを加えた感じ。どこからが宝塚独自演出なのか不明ですが、完成度が高くてあまり外部でやったら…と想像する必要も無いように思いました。ラストシーンは衣装作り込みたかったんだなと感じるところでしたが。後で触れますがそこも想像の余地があって面白い試みになって良かったのです。

この世界を形作るもの

先に「家父長制に抗うための物語」と書きましたが、宝塚でかかることでこの辺りが巧妙に分かりづらくなっているのが面白い点でもありました。ラブストーリーなのにヒロイン以上に父ヴィットリオとの会話が多いのは何故なのか、グラツィアを惹きつけたものはなんなのか。ロマンスの型を使いながら最終的に型がボコボコになっている印象です。

まずランベルティ一家には死んだロベルトを中心とした第一次世界大戦の傷があって、実はその始末をしていたという人間の殺し合いに倦んだ死神サーキがそこに混入する。父の満足する結婚に臨む娘グラツィアがいて、決して彼女はそれを心から望んではいない。大きな存在に「言われたままに」向き合う二人が出会って起こる反乱。それが”死”に向かうことであっても…という構図がまずあります。
そしてサーキの感じる生の喜びと共にオムニバス的に一家の多様な面々にとっての死の語りが続く。愛は可能性を紡ぎ、死はその断絶を意味しながらも、時に愛もまた可能性を奪い死者を愛し続ける矛盾を抱えて生きている愛おしき人々。そんな中で父の愛は一見暖かく見えますが、本当にそれがグラツィアを幸せにしただろうか、というのは疑わしいのです。
彼がサーキに語った娘に期待する「子供を産むかも」という言葉がありました。これはサーキを重く引き止めるきっかけでもありますが、この言葉が彼女の人生を制限する以上、父との方が仲が良い婚約者に添わされ愛をでっちあげねばならぬならば、それは“戦争を起こすもの“の小さな似姿に過ぎないのですよね。

これがグラツィアが「命の限り」抗ったもの、サーキを倦ませたものであり、物語は決して肯定しないで終わる。やはりこれは家父長制との戦いなのだと思います。

とはいえ余白は多い作りで、この価値観だけで終わらせているとも思いません。そのために老医師の語りもある。未亡人アリスの孤独もある。父ヴィットリオ役が一見優男で強硬的に見えない人物になっているのも、善悪に落とし込まない深みを作り出していたように思います。分かりにくくなっているのが惜しい、とも思いつつ…。(オフ・ブロードウェイ版の映像を見るともっと厳格な父の印象でした)

視覚化される”生”

こういった印象を持つに至ったのが強力なモチーフの利用というのも出色です。
サーキが人間として生き迎える朝食のテーブル。切り花は既に死んでいるし、目玉焼きは産まれ損なった命でもある。湖のロケーションで説明される言葉、庭から茂みを越えトンネルを抜けるのは産道のメタファーでたどり着く暖かい湖は羊水。真ん中にはDNAそのままの螺旋階段。だが途切れている。グラツィアとサーキ二人の冷ややかな美しさに対してなんならちょっとキモいくらいの命茂る景色。そしてアリスとサーキの肉体的なやりとりの未遂でも生を性を強く感じさせている。

湖についてはここから生まれ出でて、最後極寒のシベリアに向かうのはわかりやすい人の一生ですね。これらのちょっとキモいまでの温かさを振り切り可能性を生み出さぬ”死”に惹かれる、冷ややかな世界の対比を美術面が強く支えていたというのが本当に見事で、国内独自演出でこんなことやれるんだ!と感動していました。
切れていた螺旋階段が繋がる瞬間それはDNAではなく彼ら自身の愛となった。と捉えています。でもまた見たら変わるのかも。

ラストシーンの解釈というかあの…

これらは宝塚の予算力もあるところかと思うのですが、その点で一つ言いたいことが。

ラストシーンのサーキの姿、だいぶ面白い試みですよね?あれ、ロシアの王子様の姿ですよね?いや単にお召し替えしたかったんでしょうけど、グラツィアの求めのまま死の世界に迎えられたとしか思えないのに「本当にニコライ・サーキとして生きてグラツィア嬢はお嫁に行くことにしたのかもしれない…」というとんでもない余白を差し込んで来てますよね?すっごい良かったです。そんなわけないんだけど。死神でも王子様でも、もう会えないだけなら同じこと…であろうかという問いを感じずともない。

おわりに

楽曲についてはうまく触れられてないのですが、全部良くて。しみじみ思うのはラストシーンに向かい舞台が整っていくところで壮大なオケの死神のテーマにものすごく揺さぶられました…。”そして何かを起こす”者が舞台最奥からゆっくりと歩いて来る演出はたまらない。ミス・サイゴンもそうだそうだと言っています。演出のこういったシンプルな点もパワーがあって本当に…いいもの見たなぁ…。
そして繊細な演技をこなしつつあれだけのビッグナンバーを歌いこなされた月城かなとさん、海乃美月さん素晴らしかったです。日本初演月組で本当に良かった。

円盤楽しみですが、出来れば再演もしてほしいところです。

 

「ムーラン・ルージュ!ザ ミュージカル 」くらえこの正拳突きの愛及びトンチキ


(帝国劇場 7月22日 18:00 演出:アレックス・ティンバース)

やられました。
絶対にBW製こまけぇこたいいんだよのトンチキパリが出てくると思っていたんですよ。
大体そうなんですが、実際にお出しされたのは「帝国劇場のパリ」でした。

私たちの帝劇のパリ

日本のグランドミュージカルの入り口に「レ・ミゼラブル」を挙げる人は結構な数と聞きます。私もそうです。パリの歴史の一つとして同じ場所が舞台の演目であればあの貧困と闘争、正しさを信じる物語を地続きに思い出すことは多い。でもヒットチューンのグルーヴでアゲてくジュークボックスミュージカルと結びつくとはまったく思わなかったんですよ。

ロートレックサンティアゴ、クリスチャンの3人のボヘミアンが真実、美、愛、自由と語るたびに、それらの権利を訴える度に間違いなくあの貧困のパリと地続きだと思える頑なさがあって、テンアゲのうちにあの心意気にボコボコにされていました。
それに加えてここが30年ペースを絶やさず革命の歌を歌った帝国劇場であるということもある。革命のフォーメーションに学生として戦った男の面影に(ロートレック上野哲也さんでした。チャーミング。)、象が置かれたのは孤独な少女の住処だった場所。ごく個人的な思い入れなんですけど、とにかくここで肋骨が半分折られました…。

愛ってなんだ

前評判としては「お話は別に」です。たしかにあまりにもありふれた恋愛悲劇。
でもそれを叩きつけるようにラブソングが畳み掛ける!襲いかかる!感情の行き先はこっちが説明するから!と言わんばかりに演出が心をごっそり持って行く。毎度こういうのに触れては同じこと言うんですけど、古典的な構図のロマンスでもそれを“信じさせる力”ってこういうのだと思うんですよね。
そしてジュークボックスとしての音楽のフル活用も納得。力の限り揺さぶられてなんだか心地よく泣けている。楽曲の勢いのある部分をとにかく使った吸引力凄いんだ…。

シーンとして特に抜き出すと印象的なのは1幕ラストのクリスチャンがサティーンへひたすら愛を捧げ続ける歌歌歌。あまりにもまっすぐに若さ、純粋さの煌めきが目の前で弾けて叩きつけられるのがちゃっと凄くて…こんなシンプルに泣けることあるかよ…あるんだ…と呆然としたまま幕間のトイレに向かいました…。甲斐翔真さんの今持てる輝きが存分に生かされてて、客席にサティーンの戸惑いを追体験させてくれる様はちょっと凄かった…で、そこから一転したCRAZY ROLLINGの狂気もまた良くて。
もう半分の肋骨もベコベコでしたね。救急車を呼んで。

演劇・芸術への敬意

で、ここまで熱く胸打った割に、ラストは「こういうお話でしたとさ」で終わる演劇らしいそっけなさもいいんですよね。あんまりに語り尽くされた悲劇でもあるし、これはあくまでクリスチャンの回想であり”終わったこと”。
ただセリフで語る以上に舞台の端々に演劇や芸術への敬意があって、バックステージものになっていったのは意外なのだけどなるほどこれがコロナ明けにトニー賞の目玉になっていたのもわかるな…と。
終盤、舞台にロートレックの絵がかかる演出に音楽のテンションのままに泣けちゃったんですよね。今こうして世界中で娯楽演劇がかかっていることの祖なんだぞって言いたげで。ロートレック自身も(トンチキ時空とはいえ)大変な人生なわけですしね。芸術に尽くすこと自体理不尽でままならないものが付き物かもしれない、それでも。

そんなわけで

そんなわけで大変満足でした。もう一回は行くんですが正直足したい満足度…。
平原綾香さんのミュージカルを気がついたら全部見てるんですけど、事態に振り回されながらも自分の道を選ぶ演技がどんどん好きになります。あとジドラー松村さんもキュートで素敵でした。お声が好きだな。

少し惜しいのはやはり、”みんなが知ってるヒットチューン”でもその曲の背景の知識が完全でない以上受け取れる情報は半減してるんだろうなってことです。ダイアモンドは永遠、と聞いてマリリンの悲劇性くらいはついて行けても、Chandelierがアルコール中毒の歌だと知ってても、多分読み込めないものが遥かに数多くある。
この辺はもう東宝が和製ビッグヒットジュークボックスミュージカルを帝劇でかけてくれないとどうにもならないかもしれないですね。やってほしいなー…。

 

「FACTORY GIRLS」再演に感謝を捧げます

(国際フォーラムホールC 6月10日13:00/17:30 演出:板垣恭一)

待ちに待った再演でした。2019年の初演時に既にテーマの徹底で一線を画していた海外作曲の1840年アメリカの女工たちの実際にあった労働運動を元にした日本主導ミュージカルです。*1
手違いで初演2回取って2回見て満足し、音源も聞きまくった作品です。リニューアルされた構成にちょっと難はあったものの、メッセージ性は強化されており十分に未来を感じる作品になっていました。

musical-fg.com

 

再演所感

初演で際立っていたのはなにしろ楽曲の良さ。バキバキしたロックに乗せて女工たちが雇用主らに立ち向かう、分断しようとする力に抗う姿は胸を打つし、重層的なリプライズ構成、象徴的な楽曲「機械のように」の中の”働くの!”の一節が立場を変え何度も使われるモチーフの作り込みは今回も健在でした。

セットも照明も再演だけあり追加が多く、どれも過剰ということはなかったし、衣装もよりわかりやすくなるための変更が印象的。なるほど再演てこういうことができるんだ。

残念だったのはテンポの悪さです。追加箇所はテーマと逸れたりそのもの自体過剰という印象は受けることはあまり無くてどれも必要な説明がなされていると思うのですが、それでも重めの会話のままBGMも無しで停滞させてしまったり、美しい楽曲でいい気分になったところで拍手の間を取れずそのまま次のシーンがダラダラ続く…というのが1幕で目立ってしまったのが辛かった。ローウェルオーファリングからハリエットとサラのデュエット、そこからベンジャミンの長話の辺りですね。ベンジャミンの追加曲もどうなんだか…。(ハリエットだけでなく客席までぽかんとさせなくても…)
しかし2幕は楽曲が流れを作る場面も多く、流れが途切れることもなく楽しめました。
音楽の強さは何にも勝る。でもこの作品それだけではありません。

テーマの強さ

この作品は一貫して女性の立場の多様を描いているところ、そして労働を通し家父長制に立ち向かうことから逃げていない点が本当に誠実だと改めて感じました。
工場に来る女工は様々な事情がある。みな概ねお金が必要というのは共通しているけれど、家族に苦しめられた、愛されなかった、経済的苦しみがあった、お金のかかる目的があるとシビアな実情があります。結果的に工場で運動を起こす者たちもいれば工場側について有利な立場を得ようとする者もいる。でもその全ての尊厳を傷付けることなく、わかりあえるはずだと脚本は描いている。そして分断を煽る男たちに負けてはいけない、と。
宣伝では結構「女性だからという話ではない」と繰り返されていますが劇中は「女性として戦う」ということから全然逃げていません。明確に労働の裏側で待ち構え私達を捕らえようとする家父長制こそ抗うべき相手であることもファクトリーガールズたちの人生を語る中で明確になっている。

なんならブロードウェイ最新作*2が輸入されてもどこか保守的に感じる部分は残っているのが常なんですが、本当に要素に取りこぼしがないと思えます。

初演で終盤ストライキで「奴隷じゃないわ娼婦でもない」という歌詞だった箇所が「どう生きるかを指図しないで」という変更がかかっています。これはアメリカの歴史と展開に合わせた歌詞ではあったと思うのだけど、この変更がより立場の弱い存在の尊厳を損ねず、テーマをより広範に見せて反家父長制の響きを強くして物語を終えるかたちになったのは素晴らしかったです。

日本の脚本でここまでやりとげたことに感謝しています。

好きな曲

「川の呼び声」
OPのハリエットの呼びかけ茫洋と現れるハリエットはオーファリング誌を読んだ世界の女性によるイメージ→希望の象徴だったんですね。
「機械のように」
 後半PTSDめいた状態で仕事に打ち込む描写があります。家父長制から逃れここに辿り着いた存在であるとわかりやすく、また尋常じゃないテンションがはっきりしてすごく印象的でした。怖かった。この曲から派生したリプライズが見事に印象に残るのも素晴らしい。
「オシャレをしたいの」
 ボンネットがかわいい。オーファリング誌は当時の女性たちの生活史の保存にもなっていることを反映してる曲です。
「対決」
 短いのですが、こういった女性のやりとりをミュージカルによくある対決の名をつけてくれたことが嬉しい。
「自由の国の娘たち」
 境遇を違えた二人が同じ意志を別の立場でそれぞれ歌うすれ違いのデュエット。邪魔などさせないわ、で終わる意志の強さがラストに繋がるの本当にいいよね…。

変更点と印象的なシーン書き出し

思い出せる限りキャラクターごとにやりたいと思います。
とはいえ初演の記憶がほぼ音源なのでそれ以外の部分はあまりアテにできませんが…。

サラ・バグリー

まずハリエットに出会う場面での経営者たちへの「女にはできないってこと?」などの横槍が追加されてますね。ここはちょっと説明的すぎたかも。オーファリングでのハリエットとの語らい、2幕の請願運動失敗後と実家からの手紙のシーンが長くなっているかと思います。主役なのでね。お酒のくだりもなかったかな。年長であるとわかる部分ですね。

ハリエット・ファーリー

まず登場シーンで作業着姿になりました。初演では彼女が女工なのかそうでないのかすら不明というところがあったのでわかりやすくなり良かったです。オーファリングでハリエットとの会話の「会社は私の失敗に期待してる」というのも追加かな…。リピートするとここまで男性陣の実情がわかっていながら何故…という悔しさを感じる。
彼女の”わきまえた女”な振る舞いがサラと対照的に親から守られたことがない、という経験から来ていることが再演でやっと理解できたのも再演の収穫でした。
ソニンさんのお歌のパワーも初演からお変わりなく素晴らしいですね。ラストの絶唱をみんなに聞いてもらいたかった4年間でした。

アビゲイル

概ね変わりはないのですが、「私達もう疲れてるんです」と鯨油騒ぎの後工場に訴えるシーンなど印象が濃くなった気がします。「このままでは死人が出る」と語ったのは亡くなるシーンへの布石なんですが、初演は無かったので結構唐突に感じてました。
しかしかっこよかった。「最後に笑って死ぬのはお前じゃない」は本当にいい歌詞。

マーシャ

まずキャスト変更になりまして、前回も良かったながら平野綾さんの演技の繊細さとパワフルさでよりお話の前面に出るキャラクターになっていましたね。初演は多くのシーンでもっとモブっぽかったので。群舞でもすごく強い眼つきで雇用主らに対峙し踊るのが本当に素敵でした。
一度ストライキ参加を断ろうとするシーン「お金にならないし」は初演には無かったかと思います。彼女がオシャレとロマンスを求める芯にはいい形の結婚を必要とする経済的な面が見えるように。気合のシャドーボクシングももちろん新キャストならではです。

ヘプサベス

マーシャさん同様新キャストです。こちらも演技面が強化され前面に出る印象に。初演はより工場の元についてサラたちとは距離があったように思うのですが、今回は元々もっと近く感じられて元来の気の強さみたいなものも強く打ち出せていて良いキャラクターになったなと。

余談ですが、松原凜子さんはフィストオブノーススターのマミヤ役が大変好きなのですが、もしこの作品がアンダー制だったら松原凜子サラ、平野綾マーシャでもみたいなと感じるほどでした。

ルーシー・ラーコム

少女時代についてはあまり変更無しかと思います。作家になった姿はかなり娘時代に寄せてきてますね。結婚してからの人生を語る楽曲がなくなりBGMにして語りのみになり、ちょっと蛇足感が出てましたね…。老人の昔を懐かしむ歌というのもミュージカルでは概して蛇足にはなるんですが。ソロ削ったと思ったらサラを励ます歌が追加されて驚きました。

グレイディーズ

自作の曲を歌うタイミングが変わったかと思います。たしか部屋でみんなの前で歌い出すシーンだったはず…(本当に曖昧でいけないですね)再演では想定年齢が上がっているそうで、どのシーンでも年長者っぽく落ち着きが出てより好きになりました。天のアビゲイルへの呼びかけは音源だとちょっとテンションが変なんですよね…改善されていた。それにしても谷口ゆうなさんは歌が上手すぎる。

男性陣

スクーラーさんはハリエットに女工たちの態度を聞くところは追加かな…?アボットさんについてはあまり変更無いかと思います。職人的に敵役に徹した戸井さん、怪奇派の強みを遺憾なく発揮した原田さんのパフォーマンスは見事でした。絶対社会で出会いたくない。
ベンジャミンは新曲ですね。ハリエットが鉄道自体の話題には塩対応したの、男の夢とか知らんわって感じで良かったです。このあたりのシーンごと長くなっていましたがコンパクトにまとめてほしかった。
シェイマスも新キャスト。初演が敬語を使わず男っぽさの強いキャラクターに仕立てられていたので際立って見えましたが、サラに敬語だしなんだか好青年になっていましたね。初演の平野良さん声に特徴があり2.5出身らしい堅牢な役作りでしてそちらは音源で聞けます。再演見てから聞くと驚くかもしれない…。

美術セット

・工場に門がついた
・月が出た
・舞踏会に床ができた
・なんか全体的に木造じゃなくて鉄骨造っぽくなった
色々リッチになってよかったですほんと。

 

観劇化から時間が経ってしまいあまり内容そのものに触れられなかったのですが、こちらの記事が脚本の女性や運動についての描き方の抜かりなさを網羅してくださっているので是非御覧ください。

出来れば次回書籍で調べたこともまとめたいと思います。

*1:オリジナルと呼ぶには製作の経緯が複雑なようなのでこうしておきます。

*2:BWでかかってから概ね10年以内くらいの作品

2023年ウィーン&ブダペストの旅。[終] 7.グドゥルー宮殿観光、そして帰国

とうとう最終日。観光のみですが少し遠出して大変良い場所に行けました。

行ってみようグドゥルー宮殿

郊外電車 HÉV

初めての一人ヨーロッパ旅ということで当初から無理はしない設定を貫いてきたのですが、ブダペストの観光は時間があるのでちょっと市内から外れた場所に行ってもいいのでは…と決めたのが、この日目指したグドゥルー宮殿 Gödöllői Királyi Kastéyです。
エリザベートについて調べるとハンガリー王妃となった際に与えられたシシィお気に入りの居城として出てくる場所で、多分人生で一番シシィに興味がある今行っておいた方がいいだろうなということで決定しました。

ハンガリー到着時にも使った地下鉄M2線で市内中心地からウルシュ・ヴェゼール広場駅 Örs vezér tereに向かい、郊外電車に乗り換えて1時間弱ほどの道のりです。
ウルシュ・ヴェゼール広場駅では大きめのショッピングモールが見えたので帰りに寄ろうと決意。

郊外電車の中でおじいさんに「〜〜〜〜グドゥルー?」と話しかけられたので「グドゥルー行きます!」と英語で返しておいたけどén megyek Gödöllőhözくらいなら返せたかもしれない…(大体通じるだろう)。おじいさんはそれを聞いて「〜〜Sissi!Sissi!」と言っていたのでなんかみんなシシィが好きだな!みたいなこと言ってたんじゃないかなと思います。

さて前日に市内のツーリストインフォでグドゥルーはブダペスト市内フリーパスの範囲外であると聞いていたので、切り替えのイロナテレプ駅 Ilonatelepで降りて切符を買う、と決めてこういうやりとりや郊外の景色を楽しんでいたのですが…あの…人がいない…。
仕方ないのでグーグル翻訳に謝罪と差額は幾らか質問する文面を用意して、現れた改札係に見せたら理解してもらえて、支払成功しました。(料金エリア越えたので大体来るだろうと思ったタイミングで来ました)普通に片道分1枚の金額だったので買っておけばよかったのかもしれない…。

エルジェーベト公園 Erzsébet park

グーグルマップばかり見ていてどうやら到着の気配なので下車。
…してみたけど門まではちょっと歩くのかな?と悩んでいたら一駅前だった様子。
でも何やら森に歩道があるので言ってみるとあれまぁ。

シシィっす。
こちらはエルジェーベト記念自然保護公園だそうです。駅からこの銅像までまっすぐな小道が作られていて、ウィーンのシシィ博物館にあった「決してあの小道を手放してはいけなかった」という結婚について書いた本人の詩を思い出します。そういうことなんでしょうね。銅像の奥にも森は広がっていて、そちらには行かなかったけど大変綺麗な場所でした。

グドゥルー宮殿 Gödöllői Királyi Kastéy

駅の反対側へ渡り見えていた門を通り過ぎ次の駅を越えて辿り着きました、グドゥルー宮殿。*1うっすらピンクでかわいい外観。何より先程の公園からずっと続く郊外の森の中に佇む様子がものすごく気持ちいい。

チケットを買いこちらも音声ガイドを借りて入場。日本語対応がありがたいですね。シシィ博物館ほどこなれた作りではなくいかにも学芸員の読み上げという感じですが。

エントランス。天気の良い日だったので日差しがきれいです。

さてこのグドゥルー宮殿、2019年のガイドブックには「撮影禁止」とあります。
観光ブログなどを見ても同様で、中の様子はいまいちわかりませんでした。*2が、コロナ禍明けての措置なのか館内は「フラッシュ不可、撮影自由」の看板が。
というわけでバシバシ撮ってきたので貼ります。エリザベート観光の参考にしてください。めっちゃオススメです。

居室、礼拝堂、隠しトイレ。
最初はマリア・テレジア女王の家臣グラシャルコヴィチ伯爵家のゆかりの品の展示が続きます。この辺はまだ本当に撮影可能なのかこわごわして撮影あんまりしなかったので後悔してます。しかしきれいな空間。

ハプスブルクど〜ん。戴冠式ど〜ん。アンドラーシがいるのがやはりハンガリーらしくてにくいですね。

アンドラーシの肖像。イケであります。

赤い壁紙はウィーンのホーフブルク宮殿と同じ、パイナップル柄です。
夫婦並んだ騎馬像が素敵でした。騎馬の肖像画もすごくたくさん。

そしてすみれ色の壁紙はシシィの空間。

あまり見ない肖像画が多いのも素敵でした。画風もかっこいい。

 

特に印象深かったのがこちら。「聖イシュトヴァーンのマントを縫うシシィ像」

戴冠にあたり、国民感情に訴えるため描かれたというわかりやすいエピソード。
実際に縫ったのかはよくわかりません(女王として刺繍をする風習があったとか無いとか言ってたような)でしたがここで着ているドレスはおそらく入った時に展示されていて(撮り逃したね…)すごく小ぶりだったので多分実際着てた姿を描いたわけではないんじゃないかなぁ…。
推しと推しが繋がった上にハンガリー側のシシィのイメージ作りも見えて一人興奮している怪しい観光客となっていました。本当に来た甲斐があった…。

マリア・テレジアも滞在したことがあるということで、オーストリアハプスブルクのみなさんの展示も盛んでした。(この廊下の肖像画み〜んなハプスブルク。殆どに音声ガイドがあるのでさすがに聞きれなかった…)


中庭にシシィが厩に出たというグリーンのテラスの復元がありまして、

カフェになっていてお茶を楽しめました。

このカフェに入る前、展示を一通り見ておみやげを買って下階に降り、現れたホールに椅子が並べてあってシシィのイメージビデオがモニターに流れてたんですが、ここでちょっと足を止めてしまいました。
推しが…おる…。
昨日ラ・マンチャの男の主演をしていたNémeth Attilaがフランツ・ヨーゼフ役で出ていたという映像作品…ここにあったのか…。奥様がシシィ似ということで出演したっぽいショートビデオなので登場ちょっとなんですけど、全部見てしまいました…。来てよかった(?)

シシィの愛した場所、との触れ込みで紹介されることが多い場所ですが、本当にウィーンの石造りの街の中心としての宮殿とは対をなす緑豊かな城で、こういう場所が好きならウィーンが合わなくても仕方ないと思わせられるロケーションでした。これも行って実感できてよかった。

他にも屋内馬術場や小劇場があるようなことがガイドにはあったのですが、あまり奥に行く人もいないしそろそろ時間も惜しいのでお庭をぐるっと歩いて出ることにしました。
帰りの電車は学生の下校時間のようで賑わってましたね。

アールカードブダペストモール ÁRKÁD Budapest

さてウルシュ・ヴェゼール広場駅に戻ったところで地下から朝見たショッピングモールへ。目的はDVDとスニーカーとか見れたらいいな…といったところで練り歩きました。が、映像ソフトは本屋さんも電気屋さんでも取り扱いが見当たらない…。もうそういったものなんでしょうね。昨日見た本屋さんが珍しい場所だっただけで。スニーカーも見知ったブランドが並んでるだけなので諦めてしまいました。
しかしこういう生活圏を見れただけでも楽しかったな。ということで離脱。

ブダペスト西駅Nyugati puと有名なマクドナルド

ここからはあまり決めずに行き逃した場所を追ってました。とりあえず路面電車で西駅Nyugatiへ。なんたってここには元はシシィの控えの間だったという世界一美しいマクドナルドがあるという…。

行きました!マックだった。言うてもヨーロッパっぽいマックにはウィーンで入っちゃったしなぁ…と写真だけ撮って退散することに。「マックだから高校生が宿題とかしてるよ」とは聞いてたけどそんな空気だけ味わうことは出来た。もう一枚の写真は西駅。

ここまでの途中で輸入ミュージカルの中心地マダーチ劇場Madách színházを通りかかったのだけど撮影失敗してしまい…。*3エルジェーベト通りErzsébet krtは次回行ったらもっとちゃんと楽しみたい界隈でした。

中央市場Nagy Vásárcsarnok

最終日としてやること、おみやげ探しがまだ残っています。
この日までとっておいた中央市場に行くことにしましたが道に迷いまくって16:30。17:00までなので店じまいの雰囲気がある中歩くことになってしまった。

とはいえ1階にはほぼパプリカと、日本には持って帰れない肉屋さんしかありません。ちょっと違うな…と思い2階に行くと定番のカロチャ刺繍やら革細工やら。これよこれ。というか昨日の午前中に来たらよかったって感じのバッグが結構ある…。店員さんもフレンドリーで簡単な英語で楽しめました。

この旅唯一の失敗

この日の朝思い出したことがありました。グヤーシュ食べてない。
だが思えばこの旅行の無理をしないの中には、量やチップなど勝手がわからないのだからレストランやカフェに無理に入らないというのも込みでした。ただブダペストが楽しすぎて忘れてたんですね。まぁちょっと嫌な話ですので手短に。

おみやげを買ってさて、さてレストランを探そうと地球の歩き方にある日本語メニューのあるというお店を2つほどグーグルマップで検索。すると無い。コロナ禍中に閉店している…。仕方なく大通りのお店に入り、ここまで通り雑な英語で一人でも入れるか聞こうとしたらでかいウエイターが英語で返した言葉が聞き取れず、えっと反応すると「OK OK サンキューサンキュー」しか言わなくなりました。とりあえずグヤーシュがあればいいのでメニューを見てみるけどハンガリー語ドイツ語英語が小さく詰めていてすごく見づらい…。ツーリストセットがあったのでそれを言うとはいはいって感じで何皿かも聞かせてくれない。聞いたけど。その後もずっとOK OK サンキューサンキュー。会計を頼んでも全然来ない。見かねた女性店員が「どこから来たの?」とか気を利かせてくれましたけどあの男はスゲー舐められた感じしかなくて不愉快でしたね。イシュトヴァーン大聖堂の眼の前のクセに…。

しかし、食事の場所に入るハードルがこうも高いと日本のホテルの朝食に土地の名産があったりするのも理に適ってるなと思いました。ホテルと空港は基本的に規格化されている場所でどの国から来ても過ごし方が変わらない場所で安全とも言える。今回のホテルにはあまりハンガリー料理らしいものが無かったけど、あったらそうしようと思わなかっただろうなと。色々考えてもムカついたことは変わらん…。
ちなみにグヤーシュは自分が作った方が美味い程度の味でした。

腹たち紛れにOpiに戻ってばしばし撮影してホテルに帰りました。
これならOpiのメンバーが出てたRebeccaコンサート行けばよかったわ。ぷりぷり。

帰国

一晩して帰国の朝が来ました。
事前に早く出るので受付に朝食は不要の旨を伝えておいたら朝食を紙バッグに入れておいてくれて親切さが沁みます。最後に宿泊税の現金支払があったので多めおつりをチップとして出して感謝を伝えて退出。(前日の腹いせでもあったよね…)

朝日の当たるイシュトヴァーン大聖堂がすごく綺麗でよかった。こういう風に街が作られてるんですね。(昨日はごめんやでって聞こえた気が…ということにしました)

朝食に入ってたりんごはやわらかくてまるかじりが余裕でできる品種でした。味は薄かったけど。リストフィレンツェ空港は驚くほど小さかった。
帰国前に家族に電話。出国は本当に寂しかったです。Mark Seibert,Dolhai Attila,Németh Attilaみたいな俳優たちのいない国に帰るなんて…あのクソデカ会場での観劇生活に戻るなんて。人間多すぎ東京に帰るなんて…。

唯一の失敗と書いたけど嘘ですね。2度目のやっちまったがここの免税店。
売ってるから大丈夫かな…と小さめのトカイワインとジャーキーを購入してしまう。(読む方は豪快な気の緩み方をお許しください。ちゃんと法が許さなかったので。)
お酒はここで未開封証明のSTEBsというバッグに入れて貰えば持ち込み荷物としてOKだったらしいのですが、カタール空港のトランスファーで没収。完全に無知故に。(スタッフさんに聞いてレシートがあればOKと言ってくれた方もいたのですが色々焦りすぎてもう英語対応する力がありませんでした…)
ジャーキーは地球の歩き方に日本は肉の持ち込みダメ、とあったのに、知ってたのに。日本語で言われるまでぼやっとしてましたね。降りる前に一袋食べました。おみやげ-1。
まぁまぁ痛手というくらいの値段で、人生二度目の海外だったので勉強代だと思うことにしました。

リストフィレンツェ空港からは5時間のフライト、とても空いていたので足を伸ばして眠り、カタール空港は8時間待ち。仮眠が取れる休憩室を使ったり電源のある場所でブログを書いたりして過ごして再び12時間かけ成田へ。もうあまり怖いことも無く、ただただ寝て飽きたらタブレットに入れてあった動画を見て過ごしぼんやりしていました。

おしまい

終盤は色々ありましたが、念願のヨーロッパ旅行はとても幸せなものでした。行けなかった場所、後から調べて行きたかった場所、興行もあるし、すぐにでもまた行きたいくらい。背中を押してくれた友人たちに大変感謝しています。

*1:しばしばゲデレーと発音されますが、インフォメーションで正しい発音を訪ねたところグッドゥルーと強めに言うのが正しい感じでしたのでこの記事の表記はグドゥルーで統一してあります。ゲデレーならすごく口をすぼめて発音すれば正しいのかな…

*2:正直それで行くのためらってたところもあります。

*3:この週の演目はマンマ・ミーアだったので行く予定からは外してしまったのでした。他にはメリー・ポピンズやジョセフが人気のようです。

2023年ウィーン&ブダペストの旅。6.オペレッタ劇場版「ラ・マンチャの男」観劇

やってきました…今回の旅の最大の目的…ブダペストオペレッタ劇場での観劇…!

広場からホテルに戻る、その前に…

英雄広場からホテルに戻ろうという時、気付いたんですね。買ったバッグが夏物過ぎて冬物のワンピースに合わない…と。色々考えてどうにも気に入らない…。
結局再び朝行ったファッションストリートに戻り、2,000円程度の簡素なバッグを購入することに。そのお店もなかなか見つからず、歩いた…ものすごい歩いた…。
そして生理用品と観劇後の夕飯を劇場前のSPARで買いまたも時間をロス。

そんなことしてたらホテルに戻れたのは開演20分前。
どうする…?もう着替えないで行く…?でも折角バッグ買ったんだよ!?というわけでジーンズを脱ぎ捨て着替え、髪を梳かし直すだけしてGo。
しょーもないこの選択が、結果的に間違っていませんでした…。

ブダペストオペレッタ劇場 Budapesti Operettszínház

3年間心底来たかった場所…!オペレッタ劇場…!ファンの略称Opi
ピンクの外壁と植物を模したTHE アール・ヌーヴォーな外観ががかわいいですね!2023年で100周年を迎えます!おめでとう!

いや浮かれてる場合ではありません。時間がない。エントランス廊下を抜け売店は…無いっぽいことを横目で確認し、ボックス席のある階段の方へ駆け込むと案内係の年配の女性がいたのでチケットを見せご案内をお願い。馴れない場所はこうだよね、とスムーズにセンター方向のボックス席へ。おお真っ赤なブースにカーテンがかかっていてゴージャス。ボックス席は2席ずつの並びが3列連なった6人分。私の席は2列目壁際。到着すると女性が座っているのを案内係が通路側席にどけてくれて着席。前方の老夫婦の娘さんのようでした。

1階席から見える頭髪はなかなかシルバーでしたね。
ボックス席は日生劇場で言うグランドサークル席の位置。ステージ前方に宝塚で言う銀橋があるのも面白い劇場です。1階に座ってみたいけど通路が無いようなのはつらそう。

後方にも2人連れの女性が来て、さて開幕。

Opiラ・マンチャの男 La Mancha Lovagja 感想

キャスト表です。
1でも書きましたが今回は主演ネーメト・アッティラ Németh Attilaが目当てでした。正直あのロミジュリから18年。あまり出演も多くない様子だし喉の調子を崩される方も多いのでどうなのかな…と心配してましたが、全く変わらぬ美声が大劇場に響き渡っていました…幸せ…。演技もクレバーさと愛嬌の使い分けが良過ぎてもっと主演…してほしいですね…。
ヒロインのアルドンサ役ペレル・アンナPeller Annaさんも大変素敵でした。長身美女で迫力のある出で立ち、ハスキーで強い歌声。終盤の失意と怒りのソロの凄まじい演技、生で体感出来てよかった…。
他のキャストは調べなかったのでIstván a királyの配信でトルダ役だったジョルジ・ロージャ・シャーンドルGyörgy-Rózsa Sándorとか不意打ちで現れたり楽しかったですね。劇場契約俳優なので配信とインスタで散々追っかけた面々がそのまま出てくる興奮。

内容なんですが、実は配信で一度見ています。*1現代姿で繰り広げる牢獄からの騎士道物語になってるんですが、この衣装が好きで好きで、洗濯中にサンチョが話しかけるシーンでドラム式洗濯機が出てきたりがかわいくて、本当にいいアダプテーションなのです。

物語は日本語字幕ありのMGM製映画版を履修したきりなので会話シーンが続くと細部は忘れてしまってて不覚だったものの、主演三人の所作や表情を追うので十分でした。
配信でも印象的だったんですが、このバージョンは映画と違い終盤のアルドンサの糾弾にドン・キホーテが心底怯えて悲しむんですね。映画だとあのアルドンサの受けた暴力は古い映画ならではだなと思ったのですが、アンナさまの怒鳴り散らす歌唱も凄まじく「勝手にミューズ扱いしやがって」という怒りにも感じ非常に現代的でいい場面だと現場で改めて感じられて、現地観劇の醍醐味を感じられました。
それに”夢見ることを信じさせる力”について語るお話ということを考えると自分が今この空間にいる、ということについて感じ入ってしまい勝手に泣いてました…。これもう舞台関係無いな。
とにかくブロードウェイ演目にこういった美術演出アプローチができる憧れの劇場での観劇、大満足でした。
トレーラーはこちら(BW演目なので歌なしです)

www.youtube.com

幕間に起きた奇妙な出来事

観劇はこの通りなんですが、幕間ちょっとした事件が起きてました。事件…というか恥かきが。

私は幕間必ずトイレに行く派なので即席を立ってボックスを出たら、案内係のおばさまが手招きをしていて行ってみたら通路裏の謎の部屋に案内されました。謎の部屋っていうか…幾つものスタンドテーブルにお食事が用意してある…ビュッフェ?(オーチャードホールの食事エリアをギュッと小さくした感じで想像して下さい)
おばさまが「5!5!」と仕切りに言うけど意味がわからず5分しかないのかな…?などと混乱し、テーブルの皿数が少ないとこにいたら後から来た人に邪魔そうにされ、改めて私がいるべきは「5番ボックステーブル」だったと再度案内され理解しました…。一緒にいるのもボックスの老夫婦+娘さんと後ろの女性たちだ。

しかしこの慣れない立食の状況…もはや!借りてきた猫の…置物っ!
あと、着席時に娘さんに席どいてもらったとき「ここ人来んの?」って顔された理由がわかりました。一人で座る場所じゃないんだ…ボックス席。

メニューはカナッペ3つ、中央にケーキとあり、テーブルも高めなので落としたらどうしようと余計な心配をししばらく飲み物だけにしてましたが、折角だからカナッペを頂くことに。さすがにおいしいわ…。
そういえばここに来る前散々バタバタして着替えてくるか迷ったんだった。いやこの状況、汚いデニムジャケットにズタ袋のようなリュックで来ていたらと思うと恐ろしい。死んでいたね…ありがとう私の見栄…。

そんなこんなしてたらお子さん連れがトイレを探し始め、そろそろ移動してもいい気配がしたのでグーグル翻訳に
「不慣れですみません、お食事ありがとうございました。下へ行っても大丈夫ですか」と打込んで案内係さんにお見せし退室。(とっても嬉しそうにしてくれてました。)
キャストボード探したかったけどやっぱり時間なさそうなので諦めて座席に戻りました。

あれはVIP席だった

このお食事の件、終わってからスペースでフォロワーさんにお話したらわかったのですが、ボックス席の中央数室はVIP席ということでケータリングが出るということです。同額の1階前方席でもお食事は出ない。いやすごい体験でした。次行ったらもっと備えたいですね。次行ったら1階前方で見たいけど。終演後もお礼を打込んで案内係さんに感謝お伝えしておきました。

最後に劇場内の写真を貼って終わります。

 

劇場外にはどこにいたんだってくらいの若者が盛り上がってました。
いやー楽しかった…4日目もまだまだ最高は更新され続けてました。
ステージドアとか全然わからないのでそれは贅沢しないことに…。*2

ホテルに戻って一応さっき買ったスープを飲みながら余韻にひたり、窓の閉め方を理解し(前日の晩、いい部屋だけどうるさいし寒くて眠れないと思ったら開いていた)就寝。翌日の観光へ備えます。

*1:コロナ禍中2020年暮れから半年ほど作品全幕配信をしてくれていて、このラ・マンチャの男も各キャスト1回限りの配信があったのです。BW演目だからお金かけてますね。

*2:したかったな!

2023年ウィーン&ブダペストの旅。5.ブダペストまるまる観光

入国即大変な体験をしてブダペスト二日目の観光です。
ウィーンに続き主要な場所だけ決めてだいぶ行き当たりばったり。

観光その前に

この日は夕方からブダペストオペレッタ劇場で観劇。
ということはライムント劇場での失敗を繰り返さないためにバッグの調達が必要。地下鉄M1に乗りデアーク・フィレンツ広場駅 Deák Ferenc térで降りてFashion Streetからこの繁華街の中央っぽいエリアを散策することに。

どこの広場も彫像ですね。
前日までのイースターのお片付け中の広場を横目に歩き回るものの、急ぎの買い物も苦手で結局ブダペスト中央広場Vörösmarty tér 周辺の量販店にてちょうどいいかなってかごバッグを調達。かごバッグ。…これが後で困ることになりますが、先に急ぎます。

Sissi&Istvánの旅

今回の旅がエリザベートとイシュトヴァーン1世のゆかりの場所優先ということで、ブダペストでもかなり主要な場所をまわることにしました。両者ともこの地においては超メジャーです。

王宮の丘 Vár

王宮の丘① ケーブルカー

王宮の丘Várは主要駅のあるペシュトからドナウ川の対岸のエリアのためブダペスト中央広場Vörösmarty térエリアから歩いてくさり橋へ。聞いてはいたけど工事中でバスでのみ渡ることができるとのことで乗車。
渡った先で第一の目的はケーブルカー。徒歩でも上がれるんですがレトロだしあると聞けば乗ってみたいじゃないですか。

肝心の車体の写真が無い。でもいい眺めでした。イシュトヴァーン大聖堂と街の関係がよく分かります。
2019年の地球の歩き方によると1800Ftということだったんですが今は4000Ftでした。えーと思いつつ買ったチケットはよく見たら有効期限が2024年になっていたので年パス強制購入なんですね。(設備保守のこと考えたら仕方ないかな…)
1年以内に行けたら有効活用します。

登った先で待っていたのは何故か警察の式典…。

通っていいかわからないので観光客みんな見てたんですけど、そのうちマグネット配ってくれました。来週イベントがあるからよろしくねと。ごめん流石にいないわ…。*1

王宮の丘② マーチャーシュ教会Mátyás Templom

とにかく丘の上に着いて第一の目的がここ、マーチャーシュ教会。

ルキーニの歌う「1867年、ブダペストのカテドラル」。当時まだブダとペスト地区は統合してないので地名としては存在しませんが、とにかくフランツ・ヨーゼフとエリザベートハンガリー国王の戴冠式が行われたのはここ、マーチャーシュ教会Mátyás Templom。

小ぶりながらも大変な美しさでした。ウィーンの聖堂の重厚さとはまた違う、明るい荘厳さ。ここで新たな誓いを立てることには意味があったろうな、などと考えたりもしてしまう空間です。

王宮の丘③ 聖イシュトヴァーンの騎馬像 Szt.István-szobor

ハンガリー初代国王イシュトヴァーンの騎馬像。団体客が説明を聞いてふーんて顔をしながら通り過ぎるのを見てると、御国のかっこいいロックオペラがメジャーになることを祈りたくなりますね。

ここから丘の上をぐるっと一周して王宮に戻り、ジュースを買って一休み。

どう見てもトゥルルの鳥(イシュトヴァーンの祖アールパードを導いたと言われる伝説の鳥)だなぁと思ってたらトゥルルの鳥だったらしい。このヨーロッパらしい彫像モニュメント文化もなかなか楽しくなってきました。
王宮は今は美術館なので中には入らなかったけど、丘全体に博物館も多いので余裕を持って来れたらよかったな。だいぶ予習不足を感じて帰ってから反省。

ドナウ川の景色を楽しんで再びケーブルカーとバスでくさり橋から戻りました。

国会議事堂 Országház

丘を降りてドナウ川を挟んだ向かいには国会議事堂があります。国会議事堂にはかのハンガリー国王の王冠があります。見られるものは見ておこう、ということで川沿いのトラムに乗って出発。

このエリアは工事やらなんやらで慌ただしかったのですが、ここで歩きながら調べていたら王冠は見学ツアーに参加しないと見られないことに気付きました。案内する言語ごとに募集していて英語は当日予約はほぼ不可。あーあ。*2
行き当たりばったりここに極まれりということで、次回の訪問の楽しみにすることにしました。絶対来るからな!!

聖イシュトヴァーン大聖堂 Szt.István Bazilika

というわけで気持ちを新たに、ブダペスト最大の目玉、聖イシュトヴァーン大聖堂に向かいます。徒歩で10分程度だったか。ヴァーツィ通りに出たところで昨日ホテルまでに間違った道の眼の前だったことに気付きました…全然わかってなかった。

広場前の建物で内部と折角の天気だし展望台までのチケットを買い(カウンターのおじさんが交代に来た人にSzia!と出した握手を私が握るなど軽い恥をかいて)見学へ。

聖堂内部

ほぁぁ…教会建築自体が結構好きなのですがここは格別に良かった…。国の中心として愛される存在の雰囲気があって明るい。時代が新しいものなので比べるのも変だけどウィーンのシュテファン大聖堂とは全然違う居心地でありました。

聖遺物。200Ftの寄付でライトアップされると聞いてたけどずっとライトアップされてました。*3

展望台

折角なのでエレベーター使わず階段で登って展望台へ。宝物庫はまぁまぁ…。

街を見下ろす絶景でした…ここを中心に構成されてる感じがよくわかる。
それから、なだらかな稜線の上の建物がよく見るとすごく近くて、山でなく丘という感じが関東平野育ちには新鮮で気に入りました。次回は草原にも行ってみたいな。

本屋さんに行く!

さて一応ここから博物館に行こうかと思ったものの、あんまり時間もない…。
とりあえずグーグルマップのメモを入れた本屋さんが近いので行ってみることに。

写真は撮れなかったんですがクラシカルで大変かわいい内装のお店でした。
クラシックの音源が豊富に置いてあり(ミュージカルはあまり無かった…)地階のCDショップでIstván, a királyの初演音源と、オペレッタ劇場でミュージカル版が上演されているSzegény Dzsoni és Árnika(貧乏なジョニとアールニカ姫)の原作の児童小説を購入。絵本ではないので読めないんですが…読めたらいいなということで。

座席50人くらいの倉庫劇場でやってるらしいけど素敵でしょ。
旅先で本屋さんに行くこと自体結構楽しいですね*4。もっと美術技法書とか見てくればよかった。

英雄広場 Hősök tere

本屋さんをもう一軒はしごしようとしたものの、そんなに大きいお店は見当たらず通りがちょっと歩きにくい雰囲気のエリアに入ってきたので諦めて移動。15時くらいになっていたのでメトロM1に戻って一旦劇場街を通り過ぎ、英雄広場へ。

かっっっっこいいな?!

騎馬民族としてこの平原にやってきたマジャル人、イシュトヴァーンの祖アールパードたちの像ということですかっこいいな??
ウィーンからここまであらゆる広場にある彫像文化というものを見せつけられてきたんですが、ちょっと極まった感じがありました。
天気が良くて時間があったらスケッチしたかったなぁ…本当にかっこいい…。

 

と見学を終えて15:30頃ホテルに戻る…つもりだったのですがここから劇場まで一波乱二波乱…次の記事はオペレッタ劇場観劇記録になります。いや大変だった…

*1:式典は楽隊の演奏はともかくダースベイダーのテーマが流れたりだいぶ変でした

*2:スペイン語ならあった。

*3:ちょっと面白すぎないかと心配してたのでこれでよかった

*4:台湾に行った時児童向けレミゼを買ったりしてました。

2023年ウィーン&ブダペストの旅。4.二都市間移動…だけじゃない日

初観劇を終えてぐっすり眠ってウィーンからブダペストへ出発の日になりました。
正直ここまでは「楽しいけど…あと4日は長くね?」と思ったりもしたけど…結果この旅一番エキサイティングな日になってしまいました。

どうぞ。

観光 or 出発

昨晩の興奮も冷めやらぬ朝。12時までにチェックアウトでブダペスト行きの列車ユーロシティは13時前発。なので朝イチで元気があれば昨日行けなかったシェーンブルン宮殿にささっと行ってもいいかな、と考えて就寝したのですがそう甘くなかった。生理開始でした。帰国直前くらいを見込んでいたけどそういえば昨日からちょっとおかしかった…。これは下手な運動は難しいと判断し朝食即痛み止めを早めに飲み荷物をまとめ、ウィーン中央駅Wien Hauptbahnhofに早々に移動することにしました。

街中で気付いたことを少し。

去る前に。

  • 歩きタバコすごい多い
    街中は少しオーガニックで甘い香りがする。*1。多分パンなのかな。
    ただし、人が集まるとここで煙草の臭いが交じります。空港を出てから屋外は喫煙可ということに気付いて驚きました。結構露骨に嫌な顔してる人もいる。
  • 地下鉄のドアが手動
    結構鉄道の作りが違うなと思う点は多かったです。ドアのレバーは重くて自力で開けられず、見かねた人が開けてくれました…。
  • エスカレーターは右寄り。
    今割と気になるトピックスなんですけど、混んでなくてマナーというほどきちきちした感じもないけど片側寄りになっているあたりあの形状の乗り物では自然と起こることなのかもしれないですね。
  • 無料公衆トイレもある。
    基本有料とは聞いてたけど街中にあるはあるんですね。一度覗いて見たけどとても使えたものでは…。ただこれも福祉だなぁと思ったりしました。
  • 英語は凄く流暢。
    接したのがほぼ観光地の店員さんだから当然かもしれませんが、ナチュラルなスピードで話される方しかいなかった。なので気をつけないと聞き落としやすい…。
  • どこにでも充電器
    飛行機からUSB充電はあったんですが、ホテルのコンセントの脇に縦長の穴が空いてたのには驚きました。ユーロシティにもあったけどすごいゆっくり充電でした。

ウィーン中央駅 Wien Hauptbahnhof

路面電車で到着。またしても駅名をチェックし間違えて途中で降りた懲りなさ。
ここでおみやげも買えたら、と思ってたのですが日曜日ということで全然お店が開いてませんでした。
早く来すぎて出発ホームの掲示前なのでInfoに行き質問し、強めに「Ten」とだけ返され行ってみたら大きくBudapestと壁に書いてありました。決まってるのね。
そろそろ慣れた感じでパン屋さんでジュースだけ買って列車が来るまで1時間半ほどベンチから動かず待機。幸い腹痛は全くありませんでした。

この旅一番の心配事

ちょうど列車が到着した頃にホームに移動できて、待機中に改めて画像翻訳で確認したチケットの車両番号に乗り込み席を探しました。6人乗りコンパートメントには小さいお子さんを連れた4人家族が先に入られていて、お父さんが私のスーツケースを見て荷物置きに上げてくださりお子さんが私の予約席だった窓際に座ってたのを移動させようとしたので「そのままで大丈夫!」と拙くもお伝えし席に落ち着けました。

いやーここで、安心してちょっと泣きそうになった。

散々ググった通り荷物置きはコンパートメントの頭上の棚。私の身長は160cm以下。スーツケースは65L程度。絶対大変だし上げられなくて通路に置いて同乗者に嫌な顔でもされないだろうかと想像をしていたくらい、これがこの旅一番の心配ごとだったんですよ。親切なご家族と一緒で良かったです。ハンガリーの方だったのでこの旅初めてのköszönöm szépenが言えた思い出。

2時間半の旅路、ここで寝ちゃだめだよねって思ってたらご一家も後から来た一人の女性もみんな寝てました。出発後と国境通過後の2度の検札も問題なく、いよいよブダペストです。

ブダペスト東駅Keleti pályaudvar からホテル、ホテルから…

下車時もご一家のお父さんに荷物を下ろして頂き改めて篤くお礼を伝えて下車。ブダペスト西駅Keleti pályaudvarに到着です。かっこいい駅。ウィーンからアジア人観光客が急に増え気がします。西駅周辺はちょっと池袋の西口みたいな雰囲気でした。(路面電車にチケットを持たず乗りかけて1ブロック一周して戻り結局地下鉄に乗って出たその間に三回くらい変な調子で話しかけられた…)

72時間チケットを買いウィーンと同じ間違いはすまいとよーく行き先表示を見て地下鉄M2に乗り込み、デアーク・フィレンツ駅 Deák ferenc térへ。ウィーンで一度も見なかった検札係がこちらでは大きな駅のホームや階段周りに控えてます。バーコード読み込んでもらい通過し一旦外にでて世界遺産の地下鉄M1に乗換…えるつもりが盛大に道を間違えて10分で済むところを20分くらいかけ徒歩でホテルまで到着。

ぎゃー素敵なアパートメントホテル!

(室内は散らかしたあとの写真しかなかった…)

そもそも旅行会社頼みでアパートメントホテルというものがあんまりわかってなかったんですね。キッチン付きも嬉しいし、きれいだし、何よりヨーロッパのアパートメントで過ごすというミーハーな夢をお手軽に叶えてくれる最高の宿でした。さて荷物を置いたら早々に外出。
急いでます。そう、急いでたんです。

コンサートに行くのだ

私がブダペストに興味を持ったきっかけはハンガリー版ロミジュリです。
フレンチミュージカル ロミオ&ジュリエットの、世界中の映像が残ってる中でもなんか濃いバージョン。そのロミオ役だったドルハイ・アッティラDolhai Attilaのコンサートがこの日ブダペストにてある、ということだったので行く予定で動いていました。

彼はロミジュリの後オペレッタに専念する時期もあったものの今もミュージカルに主演しています。最近はIstván, a királyというハンガリーの歴史ロックオペラ*2の敵役が定着していて、今回は見れなかったけどいつか必ず見に来るつもりです。
最近はジキル&ハイドにも出てますね。

閑話休題
鉄道のストライキもなく、ブダペストには時間通り到着。しかし駅でもたつき乗換え失敗し徒歩移動、その上ホテルから出ても日曜で開いてる場所の少ない両替を探し、地下鉄もやはり混乱し開始の17時から40分の遅刻。そもそも入れるのか…。

事前に調べていた通りライブハウスは博物館近くの古い建物のバーの中。
「今から入れますか?」とGoogle翻訳に表示させて*3受付っぽい場所でスマホいじってる女の子に見せると「知らね。聞いてくる」と。戻ってきて「上行って」。マジか。じゃあ…遠慮なく…。
えらい階段を登って上階へ行くとバーがあって寛いでる人々。一段上がった奥の間へ抜けると…

いるー!

そこで歌っている…!!
ライブハウスというか簡素なホールで、まだ明るい時間なのでカーテンから光が漏れている…。こういう場所でバンドを従えあのバズーカ声量で歌っているのが聞けた…私聞いている…?!

しばし一人で楽しんでいたらこのコンサートの情報をInstaで教えてくれたDolhaiファンのBertaさんが私を見つけてくれて、英語でトークを翻訳してもらい一緒に楽しんでいました。緊張しすぎてうまく挨拶も出来なかったのが申し訳ない…でもすっごく楽しかったです。「まだ2曲目で始まったばかり」とか「後ろで騒いでる人たちとAttiがスキーに行ったときに作った曲だって」とか。
歌われてるのはミュージカル楽曲ではなく彼のオリジナル・アルバムの曲ばかりなんですが、配信リリース時に聞いていたし気持ちのいいノリのロックなので全然退屈せず。本当に声がいい…。

そして客席にいたおじさんが舞台上に上げられて何やら楽しそうな感じになっていた時のこと。
「今からSzállj fel szabad madár(István,a királyの代表曲)のイントロの口上をあの人にやらせるんだって」
「へ?待って歌うの?え?え?」

ー日本で何回聞いたかという熱いイントロ
ーおじさんの言えてない口上
ーみんなで腕振り合唱…!
いやー…今回の旅では諦めてたのに、最高の体験でした。
いつか劇場で聞けても多分合唱も腕振りもきっと出来ないもんね…。

youtu.be 当日の動画上がってました

ありがたいことです

さてコンサートも終わり、みんな下階のバーへ。
1時間少々した頃かな。Bertaさんのご案内があり、こうなりました。画像

…はい。
私みたいな謎の客にも丁寧に対応して頂いて、パーフェクトでない英語でも3人で話せて、「2年前のブダペストオペレッタ劇場の配信みんな見てました」ということを言い「必ずまたIstván,a király見に来ます」と通訳してもらい伝えたら
「じゃあ来シーズンだねー」
と笑って言って貰えて最高に幸せでした。

いやー…出待ちって日本だと本当にしたことない(何話せばいいかわからぬ社交性の無さにより)んですけど、観光客としてできる限りをしてみようという気持ちが湧いてくるものでした。楽しかった!

それから待ち時間にBertaさんとも色々お話出来て、旅先で人が待っていてくれるというのも大変得難い経験でした。ありがたいご縁です。またお会いできるといいな。

20時半頃お店を出て、体調も優れたままで(忘れてたよね)、中心部の大通り沿いだったので結局30分程度かけてホテルまで歩いて帰りこの日は終了。観光地の夜のにぎわいも体感出来ましたとさ。*4

*1:これは友人が昔サンフランシスコに行った際「ずっと甘い匂いがする」と言っていたことから気になってたもので。日本は観光客には醤油の匂いがするらしいです。

*2:私はSNSでこの作品のファン活動をしています

*3:大事なときはこうすることにしてました

*4:夕飯は日本から持ってきたアップルパイを温めて食べました